スパコン開発ベンチャー社長の齊藤元章容疑者を助成金詐取容疑で逮捕、経営破綻の可能性は?

スパコン開発ベンチャー社長の齊藤元章容疑者を助成金詐取容疑で逮捕、経営破綻の可能性は?

5日、スーパーコンピューター暁光(ぎょうこう)の開発に携わったベンチャー企業「PEZY Computing」=東京都千代田区=の社長齊藤元章容疑者(49)と事業開発部長鈴木大介容疑者(47)が東京地検特捜部に逮捕されました。

逮捕容疑は、詐欺容疑。

斎藤容疑者らは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からスパコンに使われる新型メモリー開発に係る助成金の実績報告書を提出する際に費用を約7億7300万円まで水増し。

助成金は費用に助成率を掛けて額面が決定されることから、助成額を約4億9900万円とし、実績報告書提出前に助成された金額を除く約4億3100万円を詐取した疑いがあります。

同社は、NEDOの助成を受けてメニーコアプロセッサPEZY-1などの開発を行ってきました。

これまでの助成金は約35億にのぼるとのことです。

東京地検特捜部は日午前10時20分ごろから同社や、齊藤社長の自宅に家宅捜索に入っています。

同社の経営状況は

齊藤容疑者は「HPC Wire Japan」のインタビューの中で以下のように答えています。

「スーパーコンピュータが事業としてきちんと成立して、継続的に必要十分な開発費を確保し続けられるかどうかというと、これはなかなか難しいものがあると考えています。」

このことから、一つの会社でスパコンを開発するのではなく、斎藤容疑者は液浸冷却装置の開発を行う「株式会社ExaScaler」、プロセッサの開発を行う「株式会社PEZY Computing」、メモリの開発を行う「ウルトラメモリ株式会社」など複数の会社を創業し、それぞれでスパコンの部品を開発し販売することで、収益化を目指していたとみられます。

このうち液浸冷却装置については、2015年に豊田通商株式会社と販売代理店契約を結ぶなど製品化や収益化への進展がみられますが、その他の事業についてはNEDOからの助成金に頼っていた模様です。

一方で、同社の本社は東京都千代田区神田小川町にあり、家賃の高い都心に本社を構える必要性があるのか、疑問の声が上がっています。

尚、助成金の対象となる費用は、研究員の人件費や消耗品費などに制限されています。

同社の本社が入居するビル

助成金の返還ともなれば経営破綻の可能性も

現在のところNEDOが助成金の返還を求めるかどうかは明らかになっていませんが、NEDOが定める助成金の交付規定の中には、一般的に「助成事業者が、機構との助成事業等に関して不正又は虚偽の報告等をしたとき。」に交付決定を取り消す規定が定められていることから、今後NEDOが助成金の交付を取り消し、同社に助成金の返還を求める可能性もあります。

この場合、同社の経営は立ち行かなくなる可能性もありますが、取得特許に大きな価値が認められた場合や、スパコン開発の政策的側面から、特許売却による資金獲得やスポンサーの登場や官営のファンドによる救済もあるとみられます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする