騙される検索エンジン、有名企業によるグレーなSEOは続く

騙される検索エンジン、有名企業によるグレーなSEOは続く

「これは一体どういうことだ?」

ある小規模工務店の社員は頭を抱えていた。

Googleのキーワード検索を利用すると、普段は1・2位に表示されていた自社のウェブサイトが3位に転落し、某東証一部上場企業の「リフォーム会社一括見積りサービス」のウェブサイトが2位に表示されていたのだ。

それだけなら、SEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の不備として考えればよい話である。

しかし、このウェブサイトを見てこの社員は唖然とした。

自社がおすすめのリフォーム会社として紹介されていたのだ。

自社の事業の概要が簡単にまとめられており、見慣れない写真があたかも施工例のように掲載されている。

勿論、掲載を許可した事実はない。社長をはじめ、会社の誰もがこのサイトの存在すら知らないのである。

他社の情報を勝手に利用しているだけでなく、利用者を騙している

”東証一部上場企業のウェブサイトで勧められているのなら、むしろ喜ばしいのではないか。”

そのように考える人もいるかもしれない。この社員もはじめはそう思った。

しかし、問題は自社の紹介の後にある”無料の比較見積もり”ボタンである。

あたかもリフォーム会社を紹介するように見せかけ、比較見積もりサービスに誘導しようとしているのである。

このサービスは、利用者がこのボタンを押して氏名や連絡先を登録すれば、複数のリフォーム会社から見積りが得られるという仕組みである。

ただし、自社がこのサービスに登録しているという事実はない。

今までのコツコツとした取り組みにより自社のウエブサイトでそれなりの数の顧客は獲得できていたのだ。わざわざ紹介料を支払わなければいけないサービスに登録するメリットはない。

それにも増して大きな問題は、利用者も騙しているということだ。

”お勧め”のリフォーム会社から見積りが来ると思っていたら、知りもしない会社から見積りが来た、ということが起こり得るのである。

騙された検索エンジン

確率論として、検索順位が上位のウェブサイトの方が訪問される可能性は高くなる。

この比較見積りサービスのサイトが自社のウェブサイトよりも上位表示されている以上、顧客は東証一部上場企業のウェブサイトでに流入する可能性は高くなる。

そして利用者がまんまと比較見積もりサービスを利用すれば自社の仕事は減ることになる。

これまでコツコツと施工事例やコラムを更新してきた工務店の努力が水の泡になってしまうのだ。

工務店の社員は憤りを隠さない。

「他社のサイトの情報を使って検索エンジンを騙し、自社のサービスに誘導するようなやり方が許されるのでしょうか。Googleのツールを使ってスパム報告を行ったのですが、対策が行われた形跡はなく、頭を抱えています。」

近年、Google社は検索エンジンの改良を重ね、利用者に価値のあるサイトを検索結果に表示させるよう努力してきた。スパム通報による手動対策(アルゴリズムではなく、人の目で判断する)もその一環である。

結果、リンク購入などの悪質なSEO対策を施しているウェブサイトは検索結果から排除された。

しかし、DNAのWELQ等の問題で明らかとなったのは、それでも検索エンジンを騙すことが出来るということである。

ある経営者は言う。

「うちのサービスは、他社に比べて高品質だし、相応の顧客満足を得ている。しかし、当社のサービスを模倣して後から参入した他社の方が検索順位で上位に来てしまうことがある。当社がお客様に提供している価値を正当に評価してほしい。」

問題は、まだまだ続くのである。

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