富士通がPC事業を実質的に中国レノボに譲渡、譲渡価額は280億円

富士通がPC事業を実質的に中国レノボに譲渡、譲渡価額は280億円

富士通は、100%子会社の富士通クライアントコンピューティング株式会社(以下、FCC)の株式を中国レノボ・グループ(以下、レノボ)、株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)に譲渡すると発表しました。この事業譲渡により、富士通は合計280億円(レノボ:255億円、DBJ:25億円)を得ることになります。

譲渡後の株式の持ち分割合は、富士通が44%、レノボが51%、DBJが5%となります。富士通の持ち分割合が50%以下となったことで、FCCは非連結子会社となります。ただし、持分法によって富士通の連結決算には組み込まれることになります。一方レノボは、株主総会において取締役を自由に選任することができ、FCCの実質的な支配権を持つことになります。

この株式譲渡により、個人向けのPC販売は、富士通本体から切り離されることになります。法人向けの販売については従来通りに富士通が行うとされています。また、PCの製造は従来通りにFCCが行います。

製造されるPCは今後も富士通ブランドを使用するということです。

富士通が公表している財務情報によると、2016年度のPC事業が含まれる「ユビキタスソリューション」の売上高が全体の売上高に占める割合は22.7%ですが、営業利益率は2.8%となっており、「テクノロジーソリューション」の営業利益率6.1%を大きく下回っています。また、2015年度には営業利益率が-0.7%と営業赤字となっていました。

世界規模でPC事業の再編が進む

PC市場は、市場の成熟化とともに、規格の標準化による汎用品化が進んでおり、価格競争が一段と進展しています。また、スマートフォン等の携帯端末などとの競争も激化しています。

このような中、コスト優位にある中国メーカーに事業を譲渡するなどの事業再編が目立つようになっています。中国のメーカーにとっては、事業を取得することでスケールメリットを活かせるとともに知名度の高いブランドを取得することができるというメリットがあります。

2005年には、米IBMが中国レノボにパソコン事業を売却し、2011年にはNECが同様にレノボと事業統合を行っています。また、2014年にはソニーが投資ファンドにVAIO事業を譲渡しています。更に、2015年には米国のヒューレット・パッカード(HP)が分社によりPC・プリンティング事業と、エンタープライズ事業を分離させています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする